P4
久しぶりに日本語が話せるうれしさで、紳士といろいろな話をした。
彼は新聞を読みながら、この国のニュースを話してくれたりもした。
紳士はもう25年も海外暮らしをしているという。
私も英語が話せたら、海外で暮らしてみたいと言った。
「僕もこっちへ来たときはまったく英語が話せなくて、本当に困ったよ。もともと英語が苦手だったんだけどね。あのころを思い出すと笑ってしまうよ。何をそんなに難しく考えていたんだろうってね」
意外だった。
彼は聡明な印象だったから、きっと英語もペラペラで海外へ出たんだろうと思ってたからだ。
「ぜんぜん。それこそ、テーブルのスペルすら怪しかったよ。とにかく苦手だったんだ。でも、やっぱり言葉が話せないといい仕事は貰えないし、友達もできない。だから、必死に勉強したんだ。それでも、なかなか成果はでなくてね、苦労したよ。
ところが、ある日『とっても簡単なコト』を無視していたのに気づいたんだ。それが分かってから、グングン英語が解るようになったんだよ」
私は思わず身を乗り出して、その秘訣を教えて下さい! と言った。
だって、私もまったく同じだったからだ。