DTPデジタル・データ入稿について。

★数年前まで、DTPソフトといえば「QxPress」が常識でした。特にページ物のエディトリアル・デザインでは、これに代わるソフトは存在しませんでしたが、それはもう昔の話。現在は「InDesign」がもっとも安定したシステムです。

1)コンピューター機材、ソフト。

★InDesign
Adobe社のInDesign 2.0が現在もっとも安定したソフトです。最新のCSシリーズはまだ印刷所が対応していない場合がおおくありますので、ご注意ください。
ソフトの詳細、活用法、今後の業界の展開などは、Adobe社のセミナーを受講されることをお薦めします。最新の情報がわかり、御誌の将来の指針をたてるに役立つはずです。

●利点
InDesignとOpenTypeフォント(以下OTF)を組み合わせることで、作業効率と信頼性が非常に上がり、かつ安定します。InDesignは直接PDFを書きだすことが可能なので、これをAcrobatで軽量化すれば、編集者へページカンプがメールで送れます。
今まで、ハードコピー(プリント)でやりとりしていたものが、時間を問わす深夜でも、バイク便などを使わずに、すぐに! 見ることができます。しかも、PDF書類は文字の検索も可能ですので、表記統一などの赤出しにも非常に便利です。かつ、最終段階、印刷所でもPDFから製版するので、カンプのPDFは色校正と同じレベルの校正が可能です。

デザイナーの90%はMacintoshを使用していますが、編集者はwindowsを使われているかたも多いでしょう。Qxpressの場合同じVersionのWindows版を持っていても、Macintoshで作られたデータは正しく開けませんでしたし、データの破損というリスクがありました。しかし、InDesignの場合は完全なクロス・プラットフォームが可能です。

また、埋め込み可能なOTFを使用することで、例えPDFでも、受け手側に同じフォントの同じバージンがなければ、正しく表示されないということがありません。

さらに、ソフトの価格が102,900円と安価です。

2)材料の受け渡し。

★文字原稿は「text」ファイルでMOに入れます。このMOは「ページ作業のコンテナ」として、入稿まで同じMOを使用します。
 ワープロソフト固有のフォーマットでの受け渡しは、デザインサイドに同じソフトがないと開きません。データはもっともシンプルな「text」ファイルが安心です。

 文章データには「P00本文」などひと目で内容が分かるタイトルを付けます。
 また、データーには、タイトル:や、本文:、キャプション:など属性を入れ、改行後に使用する文章を書き込み整理します。
------------------<例>----------------------------------------------
タイトル:

伝統工法による住まい

本文:4500ワード

 その時代の建築物は、自然換気が十分に行われていたために、水蒸気によるストレスは壁内や木材に及びませんでした。もちろん、室内温度は自然環境に敏感で現代の住宅とは----------------------------------------------------------------------
 文章は本文組に合わせて20ワードごとなどで改行する必要はありません。強制改行のみで流し組にします。デザインサイドでは、文章データをレイアウトに流し込んで使用しますので、不必要な改行が入ると、それを取り除く作業をしなければならなくなります。

 文字原稿をEメールで電送する場合は、かならず「圧縮」してメール本文にこぼれないようにします。メールの本文にこぼれてしまった原稿は、強制的に改行が入ってしまい、デザインに使用できなくなってしまうことがあります。
 また、文章データは必ずプリントアウトが必要です。打ち合わせ時の内容把握はもちろん、データの短絡などのを発見する目安になります。

★縦組み本文の場合は、以下の制約があります。

  1. 数字は、1画に入れるもの(23など2桁)はテンキーで、縦に入れるものはキーボードの上の全角数字を使用します。
  2. 同じように文中の英字についても、略語など縦書きにしたいものは、和文で入力しておきます。

★写真は、もともとデジタル・データのものを除き、全て従来の入稿と同じにおこない、分解(スキャニング)は印刷工場の高性能なスキャナーに任せます。
ただし、紙焼きや手書きイラストなどの反射原稿は、原寸72dpiでスキャニングしてMOにおとしておきます。デザイナーはアタリに使用するためのデーターがあれば、本原稿を送る必要はありません。これで原稿紛失などのリスクが減らせます。

★これ以外は今までの作業と同じです。

3)入稿の流れ。



編集部
デザイン事務所
印刷工場

レイアウト
データは、QuarkXPressまたはInDesingで制作されます。
内校
はじめに「内部校正」として、プリントアウトが、編集者に戻されます。デザインのチェックと従来の「初校」を行い、赤字を入れたものをデザイナーに戻します。キャプションや後原の本文はこの段階で添付します。本文に大きな直しがあった場合も改めて原稿を添付します。
訂正
デザインと文字の訂正をデザイナーが行います。訂正が加えられたレイアウトデータは、MOに入れられ、ポジ等と一緒に編集者に戻されます。
データ戻し
文字の追加訂正や、訂正漏れはこの時点で、編集者が直します。編集者が行えない場合はプリントアウトに赤字を入れ、印刷工場に「赤字訂正の上出力」としてMOで入稿します。
入稿
入稿されたデーターに写真データを張り込み出力します。
初校
この初校は従来の初校とことなり、データが正しく出力されているかを主にチェックします。
戻し
データに不備があれば、デザイナーにデータを戻し再度入れ直しますが、基本的には従来の赤字訂正となります。
色校
従来の色校と同じ役目をおこないます。
責了
訂正は赤字で行い責了とします。

★大きく変わるのは、初期段階でデザインの仕上がりを把握できることにあります。また、文章の過不足もすぐに分かり、編集者のデスクトップ上で調節することが可能です。すべての作業はデスクトップで確認でき、入稿後の校正は正しく出力されているかをチェックする役目に変わります。

4)削減できる経費。

★DTP化によってなくなるものは、レイアウト用紙と写植打ちと版下制作ですので、印刷経費が変わってきます。印刷費の削減価格は交渉しだいですが、目安として写植にかかっていた経費がゼロになると考えることができます。
 しかし、写植打ちと版下制作はデザイナーの作業となるため、デザイン料は1.5倍から2倍に上がります。目安として、この行程では1ページ10.000〜15.000円。完全データ入稿の場合は修正費も含まれ15.000〜20.000円程度になります。(従来の料金によるDTP作業の場合は、文字に関してはすべて印刷所の作業になります)。
 版下制作費は「赤字訂正」と「写真データの張り込み作業」などがありますので、ゼロにはなりません。
★フイルム出力をした後の訂正は、すべて再出力となりコストが嵩みますので、基本的に内校時に完全にしておく必要があります。
★すべてを自分達で処理しようとせず、印刷工場サイドでの赤字訂正を可能にしておくことも大切です。こぼした訂正を赤字のみで行えることは、作業時間を短縮する上で役に立ちます。
★ADSLの普及により、材料やデータのやりとりが通信でストレスなく送れるようになりました(ISDNでも、文字中心のページであれば可)。これにより、トラフィックの経費が削減できます。また、特急作業や、修正の修正などの場合も楽になりました。

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