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パリの植物園の前で見つけたこの車は、当時でももちろん古いものだった。このダンディーさが、なんとなく映画の中のパリを思わせる。
パリに着いた朝。2時間ほど歩いて、やっと見つけた安ホテル。扉を開けるとフロントマンがちょっと困った顔で出迎えた。チェックインは3時からだからと、ダイニングでカフェオレをごちそうになった。とても優しいフロントマンでほっとした。
翌朝、朝食にダイニングへ行くと、フロントマンが申し訳なさそうな顔で話しかけてきた。聞けばそのホテルは今日で閉鎖されるという。街の再開発で来週には壊されるのだ。彼は別のホテルの住所を書いた紙を僕にくれ、名残おしそうに僕の手を握った。彼が僕に優しかったのはホモセクシャルだったからのようだ。外へ出ると、確かに街の外れから取り壊し工事が始まっていた。
別に何をされた訳じゃないけど、僕はメモのホテルには行かなかった。21歳の僕には、ホモセクシャルの親切は、ほんの少しだけ強烈すぎたのだ。
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